インベントリ(Inventory)は、UHF帯RFIDシステムにおける読取り方法の1つです。
インベントリによる読み取りでは、電波範囲内に存在する複数のRFIDタグのEPCメモリ領域のデータを正確に高速に読み取ります。
インベントリ中は、同じRFIDタグから繰り返し応答がありますが、フラグとセッションを適切に設定することで、これを低減または防止することができます。
また、Q値を適切に設定することで読み取り速度を向上させることができます。
一般的なEPC Global GEN2に準拠したRFIDタグには、インベントリ済フラグ機能が搭載されています。インベントリ済フラグでは、まだ読み取られていない状態(未読状態)と、既に読み取られている状態(既読状態)が存在します。
未読状態のRFIDタグはフラグA、既読状態のRFIDタグはフラグBとなります。RFIDタグには、フラグB(既読状態)から、再びフラグA(未読状態)に戻す機能も搭載されており、それを事項のセッションで説明しています。
RFIDリーダー側には、このフラグの読み取りオプションが存在し、フラグAのみ読み取る、フラグBのみ読み取る、フラグA/B両方読み取るの3つのパターンが設定できます。
一般的なEPC Global GEN2に準拠したRFIDタグには、セッション機能が搭載されています。セッションは、インベントリ済みフラグを、フラグAからフラグBに戻す時間を管理します。セッションには、S0、S1、S2、S3の4つのパラメータが存在します。
RFIDリーダー側には、どのセッションパラメータを使用するかをタグに伝えるオプションが存在しますが、RFIDリーダー側でフラグを変化させる時間を自由に変更することはできません。また、フラグが変化するまでの時間で標準化されているのは、最小時間や最大時間だけです。そのため、RFIDタグの種類やメーカーによって、数ミリ秒から無限(元に戻さない)など様々です。
| セッション | パーシスタンス |
|---|---|
| S0 (セッション 0) |
|
| S1 (セッション 1) |
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| S2 (セッション 2) |
|
| S3 (セッション 3) | S2と同じ。 |
Q値は、RFIDタグが応答するためのスロットの発行数です。1つのスロットに対して1つのRFIDタグが応答します。
Qのアルゴリズムには、Dynamic(動的)とFixed(固定)が利用できます。
RFIDタグの枚数が不定の場合は、Dynamicを採用します。Q値(開始)の値でインベントリの読み取りを開始し、読み取りラウンドが終了したら、直前のラウンドの読み取り応答に基づいてQ値(最小)とQ値(最大)の間でリーダーが適した値を決定します。
RFIDタグの枚数が決まっている場合は、Fixedを採用します。枚数に応じてできるだけ小さい値をQ値(開始)に指定したほうが読み取り速度が速くなります。
RFIDタグの枚数が少ないにもかかわらず大きいQ値を設定すると、応答していないスロットが増えて処理時間が増加し読み取り速度が遅くなります。
RFIDタグの枚数が多いにもかかわらず小さいQ値を設定すると、読みこぼしが発生して、すべてを読み取るために必要な読み取り回数が増加し読み取り速度が遅くなります。
スロット数は、読み取るRFIDタグの枚数の1.5倍から2倍程度が最適とされます。最高速度を目指す場合は、できるだけ1.5倍に近づけるようにしてみてください。
スロット数は、2^Q (2のQ乗) になります。RFIDタグを50枚読み取るのであれば、Q値は 5 (50/(2^5)=1.5625) を選択することが最適です。読み取りが安定しない場合は、1増やすまたは減らしてみます。